zucca

苺パフェとシュークリーム

4 リーブレ視点・現在

 久しぶりに、就任直後の懐かしい夢を見た気がする。
 いつもの時間に支度を済ませ、僕の仕事場である裁判所へ向かう。開庁時間にはまだ早く、誰も来ていないと思っていたのに……席に座した女王様のお姿が目に入って。傍聴席を足早に通り抜けながら、慌てて駆け寄った。
「女王様!? 遅くなり申し訳ございません……!!」
「いや、今日は早く目覚めたのでな。少し考え事をしていたゆえ、気にするでない」
 女王様はゆったりと手を振り、さして気にしていないようだった。本日の業務を滞らせないよう、お目通しいただく資料の準備を急いで進める僕の横で、ぽつりと呟かれた。
「お主が城に勤めるようになってから、もう六年か。仕事姿も大分様になってきたのう。……リーブレ。この地は良くなってきたと思うか?」
 問いかけに対して、僕の経験と知識から答えを紡ぎ出す。
「はい。僕が知る限り――現在の城内は階級や種族関係なく、人も魔族も共に民のことを考える者が集まっています。それも全て、女王様のお力あってのことです」
 僕の返答に、女王様はふっと息を漏らした。
「ふふ、この場にはわらわしかおらぬ。世辞ならいらぬぞ?」
「いいえ、本心から思っております……! 女王様は――僕のような者にも、チャンスを与えてくださいました」
「いや、寧ろ逆じゃ。わらわは元より魔力や生い立ちに恵まれているゆえ、考えの至らぬ部分を持ち合わせておる。だからこそ、理解するための努力をするためにもお主のような存在が必要なのじゃ」
「も、もったいないお言葉です」
「リーブレよ。これからも、この地の政治を共に頼むぞ」

 政務には少しずつ慣れてきたけれど。正直、今でも自信がなくなることはある。
 けれど、そう声を掛けてくださる女王様のお姿を見ていたら。できることをできる限り努力し続ける自分でいられると思って。
「はい……誠心誠意、お仕えいたします!」
 精一杯、声を張り上げて返事をしたのだった。


 リーブレとレギナの出会いのお話でした。この二人は何年もの付き合いを通して、固い信頼関係が築かれているイメージ。
リーブレにとっては、自分の存在を認めてくれた、偉大で尊敬しているお方。レギナにとっては、少し母の面影を感じるような、頼もしくもあり放っておけない存在、みたいな感じですかね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!